<aside> 💡 国立科学博物館(科博)は、1877(明治 10)年に創立された、日本で最も歴史のある博物館の一つであり、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館です。 今回は導入を推進された、独立行政法人国立科学博物館 事業推進部 学習課の関戸 颯汰様にお話を伺いました。

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今後も来館者様と共に、博物館の新しい利用環境を作り上げていきたい

── そもそもどのような課題があったのですか?

事業推進部 学習課 関戸 様  コロナ禍をきっかけに、安全・安心で快適な展示室を望む来館者が以前より増えており、博物館としても館内での感染防止や鑑賞環境の改善に向け対策を講じる必要がありました。  現在は時間ごとの入館予約制を導入しているため、コロナ以前に比べ展示室内がとても混雑して展示物が見られない、先に進めない、具合が悪くなるといったような事はほとんど無くなったのですが、土日祝日は一部の人気スポットに一時的に人が集中することがあります。  混雑した際は来館者の方同士が密にならないように時間を空けてのご利用をお願いしておりますが、足を運んでいただいてから混雑状況が分かるよりも、来館前に人気スポットの混雑状況をリアルタイムにオンライン上で確認出来て、「今空いているから行ってみよう」「今は混雑しているようだから、先にあの展示を見に行こう」という判断が出来るシステムが必要ではないかと考え、導入を検討し始めました。

── 「混雑ナビ」を導入された背景について教えてください。

関戸様  現在の来館者の要望や社会の状況にすぐ応えられるよう、可能な限り早く導入できてオンライン上でも来館者が確認可能な混雑状況確認システムがないか探したところ「混雑ナビ」を見つけました。  混雑状況を把握・発信したいと考えた時に、真っ先に出てくるのはカメラやセンサー、AIを使った混雑状況の把握・管理ですが、予算の確保や機材の準備、館内の調整をするために長い時間を要すというデメリットがあったため今回の目的に合いませんでした。  「混雑ナビ」はカメラやセンサー等の取り付けを必要とせず、博物館の職員が混雑状況を確認・発信するため、低コストで工事も必要なく、混雑状況の更新もインターネットに繋がっている端末があれば可能かつ、操作がシンプルで簡単なため、導入に向けた職員への研修が短時間で終わり、検討から開始までとても短い期間で導入することが出来ました。

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── 導入による期待、効果を教えてください。

関戸様  「混雑ナビ」を導入することで3つの効果を期待しています。 1つ目は、来館者がオンライン上で混雑状況を確認出来、混雑しているスポットを避けられるようになること。またそれにより、館内各スポットの混雑が平準化すること。 2つ目は、混雑状況のデータを蓄積することで、混雑する場所・期間・曜日・時間等が明確になり、その情報と来館者数のデータを関連付けることで、混雑予測が可能になること。 3つ目は、カメラやセンサーを用いた大規模な混雑状況管理システムの導入が難しい他の博物館や美術館等でも、今回の当館での導入を機に「混雑ナビ」や簡単な混雑状況管理システムを導入し、混雑を避けた外出先の選択が多くの施設で可能になり、一般的になること。

今回の当館での導入に関してお気軽にご意見・ご感想をお寄せいただき、今後も来館者様と共に博物館の新しい利用環境を作り上げていければと思っております。

画像提供:国立科学博物館

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